ビットコインで儲かったら税金はどうなる?仮想通貨取引での税金

2017年初めにビットコインを買った方、現在のビットコイン価格急騰に喜んでいることと思います。もう少し買っておけばよかった! という声もちらほら聞こえてきますけど、ちょっと待ってください。税金のこと、考えていますか?

萌ちゃん

仮想通貨って、実際に存在していないのに税金かかるんですか・・・!
そりゃ、仮想通貨と言っても決済にも利用できるし円に換金もできるもの。まぎれもない「通貨」になっているから税金は避けられないわね・・・。

沙織先生

萌ちゃん

私!高くなってからビットコイン買っているんで!税金なんて関係ないですよね!
そのあたり気になっている人も多いと思うから、今回は仮想通貨で儲かったときの税金について解説していくわね。

沙織先生

萌ちゃん

せっかく儲かったお金が税金に取られるとか切なすぎる~!

ビットコインは雑所得

ビットコインの儲けによる税金に恐れおののいているそこのあなた、まずは税金の基礎知識からおさらいしましょう。 収入に対する税金の種類には、給与や事業所得から引かれる「所得税」、生命保険金の受取りや競馬の払戻金にかかる「一時所得」、公的年金や貸金の利子、株式投資で得た利益にかかる「雑所得」などがあります。 先日、国税庁の発表により、ビットコインにおける収入は「雑所得」に当たるとされました。これによりビットコインの保有者たちは一斉に「大変だ!」と叫んだと言いますが、なぜでしょう?

萌ちゃん

雑所得って、確か多くなると確定申告が必要になるんでしたよね。
個人事業主だったら確定申告もなんのその!だけど、サラリーマンのような給与所得者にはハードルが高いのよね。マイホームを買ったりふるさと納税しすぎたときも確定申告ってするけど、それとはまた違うし。

沙織先生

萌ちゃん

マイホームやふるさと納税は税金を減らせますけど、ビットコインの雑所得じゃ税金負担が増えちゃいますもんね・・・。

雑所得にかかる税金ってどのくらい?

雑所得が20万円を超える給与所得者は、必ず確定申告を行わなければいけません。確定申告は各地の税務署にて2月中旬~3月15日まで受け付けています。 確定申告を行うと、問題の税金支払いが待っています。さて、雑所得による税金はどのぐらいかかるのでしょうか? 雑所得は給与所得やその他の所得と合わせてから税金が算出されます。年間所得が250万円のサラリーマンが、ビットコインによって1,000万円を得たときには所得は1,250万円になります。この所得からいくらの税金が引かれるのか、次の表に当てはめて計算してみましょう。 所得にかかる税の速算表
所得額の合計 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円
1,250万円の所得があるときには、マーカー部分に当てはまります。税率は33%、控除額は153万6,000円なので、「1,250万円×33%-153万6,000円」=約260万円が所得税となってしまうのです。

萌ちゃん

ちょっと待ってください!会社からの給料より税金のほうが多いじゃないですか!これじゃぁ儲かったんだかなんだかわかんないです!
そこが問題なのよねぇ……。2017年の国税庁の発表で雑所得とされてしまったから、ビットコインで大儲け!なんて浮かれていた人は今度税金の徴収でおびえることになっちゃうの。

沙織先生

萌ちゃん

ええ……。しかもビットコインって価格が流動してるから、税金の計算も面倒そう。

いつ所得が確定する?

しかしビットコインを保有しているだけでは、利益を得たことにはなりません。国税庁の発表によると、「ビットコインを使用したとき」が所得税の対象とのことです。 ビットコインの使用に当たるのは、現金に換金したときはもちろん、決済で利用したときや別の仮想通貨をビットコインで買ったときも利益になってしまいます。これには「その際に利益がある」ことが条件となっています。つまり、購入した時点のビットコイン価格よりも低いレートで換金や利用している分には税金がかからないということです。

萌ちゃん

いやいや、2017年にビットコイン利用した人はみんな利益出ちゃいますよね。
上がったり下がったりしながらも今の価格だから、たぶんほとんどの人たちが課税対象になる気はするわね。そしてこのビットコインに関する税金が複雑を極めるのは、「ビットコインで他の仮想通貨を購入したとき」。

沙織先生

ビットコインで他の仮想通貨を購入し、その際に利益があれば課税対象とされる。言葉だけでは難しいので図にしてみましょう。 ビットコインの使用とみなされ課税対象になるときの例

萌ちゃん

この図を見て思ったんですけど、買い物に使ったり日本円に換えるのはいいとして、他の仮想通貨に換えたときも税金って……現金にはなってないから手持ちがないと支払い大変ですよね?逃れられる方法ってないんですか?
もし税金を支払う現金がなかったとしても、きちんと申告しなければ「脱税」とみなされてさらに高額の「追徴課税」を支払わなければいけなくなってしまうから、大変だけど申告をして税金を支払わないとだめなのよ。

沙織先生

萌ちゃん

私はまだ初心者だから、仮想通貨かったまま動かしてないですけど、利益出すためにちょいちょい動かしている人、どうやって税金計算するんですか?取引時点のレートも調べなきゃいけないし。
自信がない人は、最悪税理士さんに依頼するしかないわね。

沙織先生

税金のかからない取引方法はないの?

「ビットコインの使用時点で課税対象」ということですから、ビットコインで儲けたいけれども税金をなるべく支払いたくないのなら「長期保有」の一択しかなくなります。 ビットコインのレートがいくら上がっても、換金したり決済に利用しなければ税金はかかりません。ということは、「購入したあとはそのまま置いておく」が、税金のかからない方法になります。 もう一つは、悲しい話になりますが「ビットコインが値下がりしたときに使う」ことで税金を回避できます。しかしこれでは大幅に損していることになりますから、「どうしても手持ちの現金がない、決済できるものはビットコインしか持っていない」時の最終手段になるでしょう。

萌ちゃん

ビットコインが値下がりしているときに買い物するって、ほぼないですよね。長期保有するのも、一部はいいとしても全部長期保有は難しいなぁ~
これからビットコインを始める人は、「確定申告」についてよく理解してから取り組むか、不安なら税理士さんに相談してから始めてもいいかもしれないわね。

沙織先生

まとめ

ビットコインは持っているだけなら税金がかかりません。確定申告が複雑になるのは細かな金額の買い物にビットコインをつかったり、取引所でこまめに仮想通貨を動かしているような人たちです。ビットコインを購入しただけなら税金の心配をする必要はありません。 最も危険なのは、「高額の買い物にビットコインを利用した人」です。すでにビットコインの高騰を受けて大きな買い物をしまっている人は、確定申告を忘れないようにしましょう。