萌ちゃん
ウォレットは銀行でいえば口座のようなもの!ちゃんと覚えています!
その通り。仮想通貨取引をするときには、「ウォレット」を利用することで簡単に通貨の保管および売買や送金ができるようになるのだけど、安全性について疑問視する人も少なくないみたい。
沙織先生
萌ちゃん
確かに。銀行でいう口座だとしたら、それ相当のセキュリティがないと怖いですよね。
でもここまでの話でも分かる通り、ビットコインや仮想通貨のセキュリティや安全性は銀行とかなり違うの。今回はビットコインを保管しておくウォレットの安全性について解説していくわね!
沙織先生
目次
ウォレットの仕組み
ビットコインのウォレットは銀行口座のようなものとよくたとえられますが、実際にはその仕組みは銀行口座と全く異なります。ウォレットの利用に必要なのはアドレスと秘密鍵
ビットコインのウォレットにビットコインを保管するときには英数字が羅列された「アドレス」が必要です。アドレスは公開鍵とも呼ばれ、アドレス生成時には公開鍵とセットで秘密鍵も生成されます。 ここで大切なのが、「秘密鍵を誰にも知られないこと」です。秘密鍵はウォレットにアクセスするためのものですので、秘密鍵を知られてしまうとウォレットのセキュリティはゼロになってしまいます。 公開鍵であるアドレスは誰に知られても全く問題ありません。公開鍵だけではウォレットの中身にアクセスすることはできないからです。秘密鍵を自分できちんと管理しておけば、ウォレットの利用に危険性はありません。アドレスは使い捨て
公開鍵、つまりアドレスは銀行の口座番号のようなものですが、ビットコインではこの口座番号となるアドレスは利用するたびに変更され、使い捨てのように使用されます。 アドレスを変更せずに利用することもできますが、もしアドレスが使い捨てではなく、毎回同じであった場合には、「ウォレットに保管されているビットコイン残高が丸見え」になってしまいます。 これは、ブロックチェーン上の取引がすべて履歴として残されているからです。いくらブロックチェーンが安全性の高いシステムだとしても、アドレスから残高がのぞけるのはいいこととは言えません。 毎回違うアドレスを利用することで、ビットコインを狙う悪意の第三者からウォレットを守ることができるのです。 しかし一度生成されたアドレスは消えることがありません。再び同じアドレスを使いたいのであれば、同じアドレスを利用することもできます。
萌ちゃん
毎回送金するためのアドレスをかえるのって、地味に大変ですよね。
確かに、送金のたびにアドレスが変わるのはかなりストレスになるわね。アドレスの英数字文字列は26~35文字だから、手書きや手打ちで入力するのはちょっと無理。送金してもらいたいときには生成されたアドレスをコピー&ペーストしてメールで伝えるか、QRコードの利用が賢いやり方ね。
沙織先生
萌ちゃん
手打ちじゃなくても大丈夫なんですね!メールするにしても、いちいち手打ちしてたら日が暮れちゃいますもんね~!
通貨っていうくらいだから、このぐらいの手間をかけて安全に使うのは利用者の責任でもあるわ。金融機関がないから、すべての取引は自己責任。ここは忘れないように!
沙織先生
萌ちゃん
わかりました!
ウォレットの種類で安全性は異なる
前回「ビットコインを購入しよう!仮想通貨の買い方について」でもすこし触れましたが、ビットコインを保管するためのウォレットにはいくつかの種類があります。種類ごとの特徴とメリットやデメリットについてみていきましょう。ペーパーウォレット
ビットコインの長期保存に向いているのが「ペーパーウォレット」です。その名の通り紙のウォレットとなっており、「アドレスと秘密鍵を書いた紙」が保管用ウォレットとして機能する、というものです。 アドレスを紙に記し厳重に保管することで、機械や通信によるトラブルを避けることができます。ペーパーウォレットは『bitaddress』にて作成可能です。 参考 bitaddresshttps://www.bitaddress.org/ このサイトは日本語対応となっており、ページに飛ぶと自動でアドレスが生成されます。さらに「ペーパーウォレット」をクリックすると紙幣のようなペーパーウォレットの画像が出てきますので、そのまま印刷してください。 完成したペーパーウォレットのアドレスにビットコインを送金したあとは、金庫などに厳重に保管しておきましょう。 ペーパーウォレットはビットコインの長期保管に向いているとはいえ、あまりにも長期間保管しておくと印字が薄くなりアドレスの読み取りができないこともあります。また、保管先は頑丈な金庫でなければ火災などで焼失してしまう可能性もあるでしょう。オンラインウォレット
最も手軽で多くの人に選ばれているのがオンラインウォレットです。ウォレット自体がオンライン上にあるため、ハイスペックなパソコンも必要なく、スマートフォンから簡単にアクセスできるのが特徴です。 大手取引所であればセキュリティ面でもほとんど心配なく利用できるでしょう。とはいえ、ハッキングや通信障害によるビットコインの消失や、取引所の破綻には注意しなければいけません。 一度に多くの人がアクセスすることで通信が困難になることもありますし、ビットコインや仮想通貨に大きな動きがありそうな情報が流れると一気に利用が難しくなってしまうことも考えられます。 オンラインウォレットにビットコインを保管するときには、少額ずつ数カ所の取引所に分散させると良いでしょう。ローカルウォレット
ローカルウォレットはパソコンやスマートフォンにブロックチェーンの一部、または全部をインストールして利用するウォレットです。 完全型と呼ばれるローカルウォレットでは、ブロックチェーンに記録されているこれまでの全取引をダウンロードしインストールしなければいけないため、保存先には大きな容量が必要になります。よってスマートフォンへのインストールは不可能です。 少し手間がかかるローカルウォレットですが、セキュリティの高さと利便性の高さによって人気のウォレットとなっています。 一度インストールするとオフラインでも利用可能となり、セキュリティも独自に強化することができます。オンラインによるサイバー攻撃を受けにくく、取引所が破綻しても全く影響を受けないというのも大きなメリットです。 オンラインウォレットではなにかと不安の残る部分を補完できるウォレットが、ローカルウォレットと言えるでしょう。ただしパソコンのハッキングやウイルス感染、ハードディスクの損傷には注意しましょう。ウォレットを選ぶときに気を付けたいこと
これら3種類の中からウォレットを選ぶときに気を付けたいのは以下の点です。- ビットコインを長期保管したいときはまずペーパーウォレットの利用を考える
- 短期間での取引数が多い人はローカルウォレットかオンラインウォレットがおすすめ
- 完全型ローカルウォレットを利用するときにはハードディスクの容量に注意
結局のところウォレットの安全性は高い?
これらのビットコインウォレットには、それぞれ弱点があります。すべてにおいて完璧なウォレットはありません。 特にオンラインウォレットでは、秘密鍵を取引所が管理するためハッキングの危険性もあります。仮想通貨取引において、より安全性を高めたいのであれば「資産は分散しておく」ことが大切です。一か所に残高を集中させず、数か所に分けて保管しておきましょう。まとめ
とにかく、仮想通貨取引において大切なのは「自分の資産は自分で守る」という気持ちよ! 管理をすべて取引所任せにせず、ローカルウォレットやペーパーウォレットを利用して上手にビットコインを保管しましょう。
沙織先生
萌ちゃん
考えてみたら、銀行だってクレジットカードだって、完全に安全とは言えないですもんね。オンラインウォレットを利用するときには、私も毎回パスワードを変えてみたり工夫してみます!
ウォレットの安全性についても自分で取り組むことで、より仮想通貨に対する理解も深まると思うわ。
沙織先生
萌ちゃん
よりよい方法を模索しながら、自分が一番安心できるウォレットの利用法を見つけていきます!